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『節税が分かれば、会社は簡単に潰れない』

『節税が分かれば、会社は簡単に潰れない』
出口秀樹
光文社新書、2010/11/20、¥777

節税がわかれば会社がつぶれないなら誰も苦労はしないよなぁ、と思いつつタイトルに釣られて買った。
本書の内容は、どのようにすれば費用が損金処理できるかの基本を説明したもので、経営者であれば普通に知っていることが大半で、これを知っていたからといってつぶれないというわけではない。
接待交際費と会議費、福利厚生費と従業員賞与、生命保険による税金繰延効果、貸倒処理、消費税の取扱、減価償却費を大きくするには、在庫を圧縮して節税など、とりあえずここは理解しておくべき、という点を説明している。
ただ、なぜ偽装請負が企業に広まったかを消費税という観点から説明した点や、交際費損金算入上限600万への改正など、知らない点もあった。特に、派遣社員・請負について、従業員給料からは消費税が非課税だが、派遣社員・請負の費用は消費税課税であることから、派遣・請負は従業員給料より消費税分控除され、結果として節税になるのは、今まで理解していなかった。
企業の税金についてわかりやすく説明されているので、一読の価値はあった。

どんなゲームでも、その勝負に勝つ人は、ルールに精通している人なのです。(p.6)

消費税の対象となる取引は「国内において事業者が事業として行う資産の譲渡等」という大原則があります。[略] 会社の従業員は、労働という対価を提供することによって、賃金をもらっている労働者であって、事業者ではありません。そうなると、従業員の給料は、消費税が規定する「事業者が事業として」という条件には当てはまらないことになります。
派遣社員が給料をもらうのはあくまで派遣元の会社からであって、派遣先の会社からではありません。言い換えると、派遣先の会社は派遣社員に直接賃金を支払うのではなく、派遣元の会社に賃金相当分として支払っているkとおになるわけです。双方の取引に、派遣社員は関係がなく、単に会社間の取引にすぎません。これは「事業者が事業として」行う取引に該当し、この取引には、消費税が課税されることになるのです。(pp.133-134)

「偽装請負」が大きな問題になっているのは、労働形態もさることながら、それが税務処理の問題にまで発展しているからです。請負契約で働いている人の賃金(請負の場合は「報酬」)は、派遣社員の賃金と同じく「外注費」として扱われます。つまり、請負元の会社(ないしは請負契約で働く個人事業者)に払う費用として、消費税の控除の対象となるのです。自社の従業員同様に働かせることができて、しかも節税につながる。まさに「税金を一円でも安く納めたい」という会社の欲求が「偽装請負」を生んだと言えるでしょう。(p.136)

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