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『この国を出よ』

『この国を出よ』
大前 研一、柳井 正
小学館、2010/10/4

書店に平積みになっていて、大前研一だけなら買わないのだが、柳井正が共著になっているので(だめな本だろうなと思いつつ)つい買った。大前はいつものことなので流し読みでよいのだが、柳井氏の政治に対する見識が、ユニクロの経営を語るときに比べて、新橋のオヤジレベル。

大前は、「日本は駄目だ海外に学べ、そのためには海外のことをよく知っている自分の言うことを聞け」というのが商売だから、日本を悪く言うこと自体が彼の習い性になる。従って、彼のそのような話は読む必要がない。が、柳井は現に日本国内で企業を経営し、日本のよいところもわかっているはずの立場で、大前に追従して同じような悪口をいう必要は本来ないはずだが、本書のトーンがそのようになってしまっているのは大変残念だった。

また、例えば、柳井は、政府には通貨発行権があって、民間企業の損益とは同一に論じることができないという前提を、意識的にか無意識的にか排除して、民間と同一の基準に立って国の財政を論じている。そのため、著しく説得力を欠く主張になっていると感じた。

柳井の名前で部数を伸ばすために、大前と小学館の売らんかな路線に柳井がうまくのせられてしまったな、というのが正直な感想。

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