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ザ・万歩計

ザ・万歩計
万城目学
文春文庫、2010/7/9

万城目学の初エッセイ集。とりとめのない話が続くが、著者の文章から漂う、独特な力の抜けた感じが、読んでいた心地よい。
著者は自分よりちょうど十歳若いが、本書を読むと、世界中旅をしていたことがわかる。そのような経験が小説家になるのに生かされているのかと思うと、人生何事も勉強だな、と感じた。

先日も、このコミュニティFMを聴いていたら、ボサノバがかかっていた。初めは洋楽かなと思っていたが、どうやら日本語のようである。なぜか妙に気になってボリュームを上げた。 サボテン もろてん 食べてん しもてん という歌詞が聞こえてきた。[略] タイトルはーー『おなかのはり』。(pp.23-24)

優等生とは、資質である。性格である。昔話では、正直で真面目なお百姓が必ず最後に報われる。真面目とは農作業における神である。おもしろみのない基礎の工事に時間をかけることを厭わぬ姿勢が、やがて絢爛たる建造物を築き上げるのだ。加えて私が看破したのは、優等生とは天然である、ということだ。頭で考え、意図して真面目を貫いているのではない。生来の習性として、そう行動せざるを得ないのである。(p.96)

(9月読了)

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