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成功は一日で捨て去れ

成功は一日で捨て去れ
柳井正
新潮社、2009/10/15

ユニクロ社長の著者が経営上思うことを述べた本。主に2004年から2009年までの経営課題について書かれている。
本書は新潮社から出版されているが、社内報的な役割を果たしていて、社員や協力会社、パートナーへのメッセージが随所に書かれている。従って、社内で本書が必読になっているだろうことは想像に難くない。
それだけではないが、本書を読むと、よくも悪くもユニクロは柳井商店だな、と感じさせる。
たとえば、玉塚元社長が退任し、著者が3年振りに社長に復帰した経緯から始まるが、「坊ちゃん嬢ちゃんを賛美する」(p.70)ことを嫌う著者を相手に、生粋の坊ちゃんである玉塚氏が社長として、上手くやるのはなかなか難しかったのではないか。また、後継者がなかなか育たないことを嘆く記述が所々に出てくるが、本書を読むと、そもそも著者に人を育てる才能がないのではないか、と感じたりした。
ただ、ユニクロが今も成長を続けているのは事実で、柳井氏が社長として優秀なのは間違いないので、一読の価値はある。

人間の成長も同じだと思うが、結果的には経営の安定成長はあるけれど、初めに高い目標を持ってチャレンジする人しか成長できないはず。最初から安定成長を考えていては成長すらおぼつかない。危機感を持ってチャレンジしなければ「この程度でいいや・・・」となってしまい、一定の成果は得られない。(pp.20-21)

ぼくはそんなことではなくて、例えば携帯電話を敵と捉えれば、それよりもっと弥勒があって買いたくなるような洋服とはどんな商品なのかを考える。市場をもっと幅広く見ているので、そこのところの違いだと思う。(p.21)

ぼくは常日頃から会社というのは、何も努力せず、なんの施策も打たず、危機感を持たずに放っておいたらつぶれる、と考えている。常に危機感を持って会社経営をすることが正常なのである。(p.35)

金を安易に考えると、その金の範囲内の投資だけでは済まなくて、追い銭を払うようになってしまう。決して侮ってはいけない。(p.47)

会社がいまどちらの方向に向かうべきなのかを判断し実行するのが、経営者の役割である。(p.79)

人は商品そのものを買うと同時に、商品のイメージや商品に付随する情報価値を買っている。例えば、ペットボトルの水を買うとしたら、普通の水なら買わないと思うが、エビアンという銘柄ならその背景に、フランスを中心としてヨーロッパで、すばらしい水としてよく売れているということがあって、初めて買う。(p.121)

[アメリカならアメリカのニーズに合わせて商品企画するのではなく] 日本でもアメリカでも共通してユニクロが勝っている点を徹底的にアピールして、それが評価されることで商品を買ってもらえる店にする。今現在の結論としては、その方が商売がうまく行くと感じている。(p.156)

[業界は売れないことを景気のせいや天気のせいにするが] それに対し、我々は「売れない」ことを前提にして、「売れるにはどうすればいいのか」を常に考え、試し、実践し続けてきた。その努力があって、やっと商品の良さが認知され売れるようになったのだと思う。(p.172)

ノースフェイスとコンバースを再建したあるアメリカ人が「会社再建は簡単です。全社員の意思と経営者の意思を同一にすることです。」と言っていました。(p.216)

店は客のためにあり、店員とともに栄え、店主とともに滅びる (p.216)

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