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『経営計画は1冊の手帳にまとめなさい』

経営計画は1冊の手帳にまとめなさい
小山昇
中経出版、2010/4/12

経営計画を作っている中小企業はあまりなく、経営計画発表会を公にしている会社は2〜3%しかない。従って、それをすることで、対外的な信用があがり、社員の士気もあがる。だから経営計画を作りましょう、という本。

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『一倉定の経営心得』

一倉定の経営心得
一倉定
日本経営合理化協会出版局、1999/06

伝説の経営指導者と言われた一倉定の著作「一倉社長学」から抜粋したもの。
本書によって、現在経営指導の分野で有名な小宮一慶や小山昇なども一倉の教えを色濃く受け継いでいることがよくわかった。
一見当たり前のことが書かれているが、それを実践するのがいかに困難かを知った上で本書を読むと、数々の経営者が本書を手元に置く理由がわかる気がする。

いい会社とか悪い会社とかはない。あるのは、いい社長と悪い社長である。(p.34)

電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任である。(p.44)

社長の蛇口訪問一回は、セールスマンの訪問の百回に勝る。(p.100)

奨励金制度なるものは、絶対に取り入れてはならない。(p.220)

社員の第二の人生まで心をくばる社長は「名社長」である。(p.226)

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『街場のメディア論』

街場のメディア論
内田樹
光文社、2010/8/17

大学のメディア論授業をまとめたもの。メディアへの批判にあふれている。
が、口当たりの良い読みやすい本を出すことを出版危機の一因と批判する著者自身が、口当たりの良い、読みやすい本を書いて出しているという自覚があるのか、多少疑問が残る。

日本のメディアが一貫して「クレイマー」の増加に加担してきた(p.66)

僕が知る限り、医療機関に対して仮借ない批判を向けることによってのみ医療の室は改善され医療技術の水準は向上するという信憑をメディアは一度も手放したことがありません。(p.80)

「批判すればするほど、医療の水準は上がり、医療の質はよくなる」とメディアは信じ込んでいる。どのような実定的根拠があって、そのようなことを思い込めるのか、僕にはよくわかりません。少なくとも自分自身を振り返ってみれば、「他人に仮借なく批判されればされるほど、知性の働きがよくなり、人格が円満になる」というようなことはありえないということくらい彼らにもわかるはずです。でも、自分にはできないルールを他人には平気で適用する。(pp.87-88)

メディアでは、個人は責任を取らない。責任を取ることができない。(p.89)

数年前に、メディアが凄まじい医療バッシングを展開した医療事故事件報道がありました。そのときの「世論」の形成について、[『医療崩壊』を書いた虎ノ門病院の]小松[秀樹]先生はこう書いています。
「記者が、責任の明らかでない言説を反復しているうちに、マスコミ通念が形成される。これが『世論』として金科玉条になる。この段階で反対意見を吟味することもなく、また反対意見が存在することを示すことすらせず、同じような報道を繰り返す。これは暴走といってよいと思う。なぜ『暴走』かというと、しつこいようだが、この過程に個人の責任と理性の関与、すなわち、自立した個人による制御が及んでいないからである。」(p.92)

どうせ口を開く以上は、自分が言いたいことのうちの「自分が言わなくても誰かが代わりに言いそうなこと」よりは「自分がここで言わないと、たぶん誰も言わないこと」を選んで語るほうがいい。それは個人の場合も、メディアの場合も変わらないのではないかと僕は思います。(p.103)

社会制度の中には商取引の比喩では論じることのできないものもあるということは忘れない方がいい。さしあたり、「市場経済が始まるより前から存在したもの」[教育と医療]は商取引のスキームにはなじまない。(p.107)

「うかつに教育制度をいじるな」という主張をなしたメディアも、僕の知る限り存在しなかった。というのは、社会制度の変化はよいことであるということはメディアにとって譲ることのできぬ根本命題だからです。考えれば当たり前のことですけれども、社会が変化しないとメディアに対するニーズがなくなるからです。(pp.110-111)

市場原理を教育の場に持ち込んでは行けない。[略] けれども、メディアはそのような説明をうまく呑み込むことができません。相変わらず教育崩壊の「犯人」探しと、「根本的な制度改革」の喫緊であることだけを言い続けています。「社会制度は絶えず変化しなければならない、それがどう変化すべきかは市場が教える」という信憑そのものが教育崩壊、医療崩壊の一因ではないのかという自問にメディアがたどりつく日はくるのでしょうか。(p.122)

「読書は消費者である。それゆえ、できるだけ安く、できるだけ口当たりがよく、できるだけ知的負荷が少なく、刺激の多い娯楽を求めている」という読者を見下した設定そのものが今日の出版危機の本質的な原因ではないかと僕は思っています。(p.130)

これまで読者として認知されなかった人たちを読者として認知したこと。それこそが電子書籍の最大の功績だと僕は思います。(pp.131-132)

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『二酸化炭素温暖化説の崩壊』

二酸化炭素温暖化説の崩壊
広瀬隆
集英社新書、2010/7/16

第一章で二酸化炭素温暖化説がかなりいい加減な説であることを延べ、その後第二章で二酸化炭素に責任をかぶせることで、本来環境を破壊しているヒートアイランド現象、原発の問題が隠蔽されている、と主張する。
本書のタイトルは二酸化炭素であるが、実は主張したいのは「原発は危険」、という著者の昔から一貫した信念なので、二酸化炭素は主題ではなく、前説のような扱い。

著者の温暖化自体に対する立場は今ひとつはっきりしないが、まとめると
1. CO2濃度は一貫して増加しているのに対して、気温は1970年代、2000年代は寒冷化しているので、CO2を原因とするのは無理がある。
2. 百年単位の温暖化傾向は、CO2濃度が高くなる前から起きている。
3. C02よりも水蒸気の方が温暖化への寄与が大きい。
4. さらに太陽黒点、地軸の変化などの要因を加えれば、C02の寄与度は限りなく小さい。
5. 千〜万年単位の長期的温暖化は地球の周期的な気候変動による傾向的な変化。
といったもの。クライメートゲート事件にも触れ、最近の欧米の対応が述べられている。

後半の原発関係になると、思い入れが強すぎるのか、根拠が必ずしもはっきりしない主張が混ざるので、若干信憑性に欠ける。

ポスト京都議定書となるCOP16がメキシコで開幕したが、 クライメートゲートでCO2温暖化説の基礎資料が捏造であるとわかった今、協議が難航するのは当たり前という気がする。

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第159回TOEIC受験

10/11/28
第154回TOEIC受験
受験地:法政大学法学部本館(神保町)
Form:4GIC25

前回と異なり、今回は男女混合会場で、可愛い女性に囲まれて楽しく受験できたが、そちらに気を取られすぎて集中力を欠いた。
前回は高校の教室で40人部屋だったが、今回は大教室で200人部屋だったため、机の間隔が狭くて動きづらかったのと、音声が響いて若干聴きづらかった。また、11月にしては暑かったことで頭が動かず、Listeningの音が入ってこなかった。あと、オージー英語とイギリス英語は本当に聴きづらい。。。
結果、Listeningが相当落ちた感じで、多分撃沈。
点数を追うつもりなら男子会場の殺伐とした雰囲気のなかでやる方がいいのか。。。
反省点としては、リスニング中はマークに鉛筆のしるしだけつけておき、終わってから全問マークするのを忘れて時間の使い方を間違えたので、次回は忘れないようにすること。

Part1は多分全問正解。Part2で3問、Part3/Part4で5〜8問多分間違えた。特にPart4はミスが多い。
Part5〜Part7は多分2〜3問間違い。

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『図解 よくわかるデータマイニング』

図解 よくわかるデータマイニング
石井一夫
日刊工業新聞社、2004/12/20

大量のデータを統計的に解析・処理することで価値のある情報を取り出す手法であるデータマイニングについて解説した本。
文系にもわかるように書かれているというので読んだが、概念自体はわかるが、ちょっと数学的な解説が入るとまったくわからない。
初歩の数学からやりなおさないとだめか。。。

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佐藤優 講演

10/11/24
演題:「民主党の外交はなぜ国益を体現できていないのか」
講師:佐藤優
主催:夕学五十講

現在民主党政権で起きている根本の問題から、朝鮮半島、北方領土の話、教養の必要性まで、多岐にわたる話を一時間でまとめたので、フォローするのが精一杯。

・偏差値教育のために本質的に頭の良い人間ではなく、テストで再現する能力がある人間が官僚になる。
・官僚の論理:自分はエリートで国民は無知蒙昧、政治家は無知蒙昧のエキスで、エキスに任せたら国がダメになる。
・教養の重要性:数学、論理学、哲学史。

一点、佐藤は、以前は経済学部でマル経を教えていて、それによって資本主義の限界を知った経営者は無理をしない、という話をしていた。しかし、自分がマル経を学んだときの感想は、経済学としては「なんという無駄な学問」であった。佐藤と自分の間にある数年の年齢差は、見た目以上に大きいのかも知れない、と思った。

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『彼女を言い負かすのはたぶん無理』

『彼女を言い負かすのはたぶん無理』
うれま庄司
PHPスマッシュ文庫、2010/11/24

高校生ディベートをネタにしたライトノベル。
突っ込みどころ満載だが、そのあたりは生暖かく見守って読む本。
余計な能書きは横に置き、楽しいからディベートをする、嘘で勝つことこそディベートの喜び、と登場人物に語らせる著者の考え方に自分は近い。

「先輩はどうしてディベートをしているんですか」 「ん?楽しいからに決まってるじゃない」[略] 「ディベートって日本じゃあまり知られていないけど、世界一を決める大会だってあるくらい規模の大きな競技なのよ」 アイラがうっとりと淫らな表情を浮かべる。 「世界中が注目するその場でウソが真実を駆逐したら、最っ高にゾクゾクするでしょうね・・・!!」(pp.177-178)

テーマに対してどう主張しようか、相手の主張にどう反論しようか。そのときの反応を考え、反撃の方法を考えるのが最高に楽しいのだ。ディベートそのものは、実はそれほど楽しんでいなかった自分に気がついた。楽しいことだけをすればいい。そのためにやるべきことだけを考えればいい。(p.190)

好奇心は猫を殺す。(p.223)

ディベートでは、ジャッジは完全に中立的な立場を取る。ディベート内で述べられなかったことは、たとえそれが常識的な内容であったとしても、判断の対象にはならない。そのため反論しなければ、その主張は百パーセント認められてしまう。(p.240)

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『佐藤可士和の超整理術』

『佐藤可士和の超整理術』
佐藤可士和
日本経済新聞出版社、2007/9/15

最近メディア露出が多い著者の本。著者の手がけたすっきりシンプルな広告がどのように生まれてくるか興味があったので、読んだ。

表面的な対処が真の問題解決にならないのは、対症療法が病気の原因そのものを取り除く訳ではないのと同じです。少し話がずれるかもしれませんが、僕自身、定期的に運動を始めたら、そのことをいっそう自覚するようになりました。実は三年ほど前から、バランスボールを使ったトレーニングを続けています。地味な訓練ですが、身体が驚くほど丈夫になりました。苦手だった早起きもできるようになったし、腰痛も治って風邪もひかなくなった。身体感覚が全体的にするどくなりました。[略] 対症療法で症状を一時的に鎮めるのではなく、身体の軸を整えることで本来の健康を取り戻す。根本的な問題と向き合うことで、スムーズに解決へと至ることはたくさんあるのです。(pp.45-46)

どんなプロセスで整理を行っていけば、問題の本質をきちんと捉えて対処することができるのか。僕はたいがい、このような順序で進めています。
1. 状況把握:対象(クライアント)を問診して、現状に関する情報を得る。
2. 視点導入:情報に、ある視点を持ち込んで並べ替え、問題の本質を突き止める。
3. 課題設定:問題解決のために、クリアすべき課題を設定する。
プロセスとしては、実に単純です。でも、ひとつひとつに大きな意味がある。面倒だからといって、これらを飛ばして行動に移ると、本質からほど遠い、的外れな結果になってしまいます。(pp.47-48)

「モノをしぼって、すっきりと気持ちいい環境のなかで、効率的に仕事をしたい」
これが僕の"空間"の整理を行う上での大前提になっています。(p.69)

整理することは、仕事の精度アップに直結するーーこうしたポジティブな目的のもとに、積極的な気持ちで取り組んでください。(p.70)

"捨てる"勇気が、価値観を研ぎすます
本当に必要なものを自問自答するということは、結果的には、いらないものを捨てることでもあります。この"捨てる"という行為が難しい。なぜなら、それは自分のなかの"不安との闘い"だからです。(p.79)

そのためにもおすすめなのが、毎日、帰ったらカバンの中身をいったん机の上に全部あけてしまうこと。こうすれば、入れっぱなしになっているDMや雑誌などは、確実になくなります。(p.80)

それぞれのモノに定位置を決めておくこと。これは肝に銘じておくべきです。たとえば、引き出しの一段目の手前にはペン類、二段目には最新プロジェクトの資料といったふうに。これが習慣になれば、デスク上をきれいに保てるだけでなく、どこに何があるか把握しておくことができますから。(p.88)

「本質的な問題のありかに気づくためには、客観的な視点をもつことが重要だ」(p.125)

自分自身の"無意識の意識化"はハードではありますが、何度も仮説を立てて自分にぶつけてみてください。「相手の中に必ず答えはある」と述べましたが、同様に「自分のなかにも必ず答えはある」のです。(p.168)

柳井さんの言葉で印象に残ったものの一つが「服は服装の部品」。これはつまり、「ユニクロはいわゆる"ファッション・カンパニー"というより、どちらかといえばネジや釘などを売っている東急ハンズのような"パーツ・カンパニー"という感覚なんです」ということ。[略] 淡々と部品を作っている感覚が、ほかとは全く違うユニークネスだと感じました。(pp.178-179)

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ちょんまげぷりん

ちょんまげぷりん
荒木源
小学館文庫、2010/2/5

確かアヴァンティで推薦されていた。
母子家庭で日々仕事と幼い友也の子育てに追われるひろ子は、江戸時代からタイムスリップしてきた侍木島安兵衛と成り行きで同居することになる。家事を任せることで公私とも歯車がうまく回転し始めるが、安兵衛がテレビ企画のお菓子作りコンテストで優勝したことで、生活が不安定になっていく。

世の子育てをしている母親への応援や、今の希薄な人間関係を、江戸時代の視点から疑問を呈する描き方は、とてもうまくできていると思った。とはいえ、難しい話でなく、さらさらと楽しく読めた。

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万能鑑定士Qの事件簿 II

万能鑑定士Qの事件簿 II
松岡圭祐
角川文庫、2010/4/15

莉子は紙幣に隠されたわずかな秘密に気づく。その先に待つ意外な結末。

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万能鑑定士Qの事件簿 I

万能鑑定士Qの事件簿 I
松岡圭祐
角川文庫、2010/4/15

沖縄の波照間島で育ったおちこぼれの凜田莉子は、卒業して東京に上京し、リサイクルショップで鑑定眼を養う。独立して事務所を開いた彼女に起こる偽札事件。ハイパーインフレに陥った日本経済を救えるのか、という話。
ハイパーインフレに至る過程はかなり強引だが、ストーリーは面白かった。

歴史本に書かれたいろんな情景を想像しながら、そこに漂うにおいを嗅いだ気になるんだよ。すると感動しやすくなる。これも新聞貴女の受け売りの知識だが、においと感情は、身体上の機能だとか構造の面で密接な関わりがある。脳のなかで、嗅覚をつかさどる嗅脳という部位は、感情をつかさどる情動脳と重なっているそうだ。嗅脳は情動脳の発達に貢献をしてきたと考えられている。においを想像すれば、感情が刺激され、そこに付随するあらゆる事柄が記憶に残りやすくなる。(p.98)

平年は正月と大晦日の曜日は同じなの。閏年は四年に一回だから、つまり四年ごとに曜日が一日ずつずれていく。二十八年で曜日は一周するから。五十六年後はきょうと同じ金曜日。その九年後は日曜。(p.152)

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走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること
村上春樹
文春文庫、2010/6/10

村上にとって、走ることが人生にどのような意味をもつか、小説を書く上でどのような意味をもつか、について語りつつ、マラソンの記録を書いた本。

いったんリズムが設定されてしまえば、あとはなんとでもなる。しかし弾(はず)み車が一定の速度で確実に回り始めるまでは、継続についてどんなに気を使っても気を使いすぎることはない。(p.18)

店を経営しているときも、だいたい同じような方針でやっていた。店にはたくさんの客がやってくる。その十人に一人が「なかなか良い店だな。気に入った。また来よう」と思ってくれればそれでいい。十人のうちの一人がリピーターになってくれれば、経営は成り立っていく。逆に言えば、十人のうちの九人に気に入ってもらえなくても、べつにかまわないわけだ。そう考えると気が楽になる。しかしその「一人」には確実に、とことん気に入ってもらう必要がある。そしてそのためには経営者は、明確な姿勢と哲学のようなものを旗印として掲げ、それを辛抱強く、風雨に耐えて維持していかなくてはならない。それが店の経営から身をもって学んだことだった。(p.63)

学校で僕らが学ぶもっとも重要なことは、「もっとも重要なことは学校では学べない」という真理である。(p.72)

走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるために理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。暇を見つけては、せっせとくまなく磨き続けること。(p.111)

真に不健康なものを扱うためには、人はできるだけ健康でなくてはならない。それが僕のテーゼである。(p.149)

証明できる部分もあれば、できない部分もある。しかし、世界が今日直面するおおかたのトラブルは、多かれ少なかれグローバル・ウォーミングのせいにされる。[略] 世界が必要としているのは、名指しで「お前のせいだ!」と指をつきつけることのできる特定の悪者なのだ。(p.206)

そして本当に価値のあるものごとは往々にして、効率の悪い営為を通してしか獲得できないものなのだ。たとえむなしい行為であったとしても、それは決して愚かしい行為ではないはずだ。僕はそう考える。実感として、そして経験則として。(p.252)

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星野リゾートの教科書

星野リゾートの教科書
中沢 康彦
日経BP出版センター、2010/4/15

教科書通りの経営を目指す星野リゾート社長が参考にした書籍を紹介する本。
教科書通りにやれば苦しいときも確信を持って前に進める、という星野社長の言葉は説得力がある。

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成功は一日で捨て去れ

成功は一日で捨て去れ
柳井正
新潮社、2009/10/15

ユニクロ社長の著者が経営上思うことを述べた本。主に2004年から2009年までの経営課題について書かれている。
本書は新潮社から出版されているが、社内報的な役割を果たしていて、社員や協力会社、パートナーへのメッセージが随所に書かれている。従って、社内で本書が必読になっているだろうことは想像に難くない。
それだけではないが、本書を読むと、よくも悪くもユニクロは柳井商店だな、と感じさせる。
たとえば、玉塚元社長が退任し、著者が3年振りに社長に復帰した経緯から始まるが、「坊ちゃん嬢ちゃんを賛美する」(p.70)ことを嫌う著者を相手に、生粋の坊ちゃんである玉塚氏が社長として、上手くやるのはなかなか難しかったのではないか。また、後継者がなかなか育たないことを嘆く記述が所々に出てくるが、本書を読むと、そもそも著者に人を育てる才能がないのではないか、と感じたりした。
ただ、ユニクロが今も成長を続けているのは事実で、柳井氏が社長として優秀なのは間違いないので、一読の価値はある。

人間の成長も同じだと思うが、結果的には経営の安定成長はあるけれど、初めに高い目標を持ってチャレンジする人しか成長できないはず。最初から安定成長を考えていては成長すらおぼつかない。危機感を持ってチャレンジしなければ「この程度でいいや・・・」となってしまい、一定の成果は得られない。(pp.20-21)

ぼくはそんなことではなくて、例えば携帯電話を敵と捉えれば、それよりもっと弥勒があって買いたくなるような洋服とはどんな商品なのかを考える。市場をもっと幅広く見ているので、そこのところの違いだと思う。(p.21)

ぼくは常日頃から会社というのは、何も努力せず、なんの施策も打たず、危機感を持たずに放っておいたらつぶれる、と考えている。常に危機感を持って会社経営をすることが正常なのである。(p.35)

金を安易に考えると、その金の範囲内の投資だけでは済まなくて、追い銭を払うようになってしまう。決して侮ってはいけない。(p.47)

会社がいまどちらの方向に向かうべきなのかを判断し実行するのが、経営者の役割である。(p.79)

人は商品そのものを買うと同時に、商品のイメージや商品に付随する情報価値を買っている。例えば、ペットボトルの水を買うとしたら、普通の水なら買わないと思うが、エビアンという銘柄ならその背景に、フランスを中心としてヨーロッパで、すばらしい水としてよく売れているということがあって、初めて買う。(p.121)

[アメリカならアメリカのニーズに合わせて商品企画するのではなく] 日本でもアメリカでも共通してユニクロが勝っている点を徹底的にアピールして、それが評価されることで商品を買ってもらえる店にする。今現在の結論としては、その方が商売がうまく行くと感じている。(p.156)

[業界は売れないことを景気のせいや天気のせいにするが] それに対し、我々は「売れない」ことを前提にして、「売れるにはどうすればいいのか」を常に考え、試し、実践し続けてきた。その努力があって、やっと商品の良さが認知され売れるようになったのだと思う。(p.172)

ノースフェイスとコンバースを再建したあるアメリカ人が「会社再建は簡単です。全社員の意思と経営者の意思を同一にすることです。」と言っていました。(p.216)

店は客のためにあり、店員とともに栄え、店主とともに滅びる (p.216)

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スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
カーマイン・ガロ、 井口耕二 (翻訳)
日経BP社、2010/7/15

ジョブスオタクホイホイ。
AppleのKeynoteは毎回見ているので、本書に書かれていることはだいたい理解できていたが、改めて言語化されて説明されると、なるほど、と思うところもあった。

プレゼンは、演劇のようにストーリーを作り、要点は三つにまとめ、Powerpointなどには文字を入れないようにし、あとはひたすら練習せよ、というのが主旨。

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ツキの波

ツキの波
竹内一郎
新潮新書、2010/4

麻雀師阿佐田哲也の言葉や人生を引用しながら、ツキとは何かについて語る。
ツキは得体が知れないが、それを意識することで少しはよくなることもある、のかもしれない。

ツキの総量は一定で、しかもそれは個人だけでなく、親自分子といった世代をまたいだ総量が一定だと著者はいう。芸能人の家族に不幸な人が出がちだという例を見ると、著者の話にある程度の説得力は感じた。

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女は男の指を見る

女は男の指を見る
竹内久美子
新潮新書、2010/4/20

体の末端という意味では生殖器と手足は最後にできる部分で、その出来はだいたい同じなので、指を見ればその男がイイ男かどうかわかる。だから女は男の指を見る、らしい。

その他、男にとっては女性不信になりそうなことが色々書かれている。

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功名が辻 下

功名が辻 下
司馬遼太郎
文藝春秋、1974/01

土佐の大名になり、一豊と千代が死ぬまで。

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功名が辻 上

功名が辻 上
司馬遼太郎
文藝春秋、1974/01

山内一豊と妻千代が織田、豊臣、徳川三代に仕え、土佐一国の大名になるまで。

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みんなの秘密

みんなの秘密
林真理子
講談社文庫、2001/1/17

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神様のボート

神様のボート
江國香織
新潮文庫、2002/6

不倫して家を追い出されて、不倫相手とまた会う日まで、不倫でできた娘をつれ歩きながら、あちこち引っ越ししてその日を待つ母と、次第に成長していく娘の話。

江國作品は初めて読んだ。作品の波長に合わせるのが難しかった。
「恋愛の静かな狂気」とはいうけれど、世の中にはこれ以上の狂気が満ちていて、自分は、作品にそれほどの狂気を感じなかった。

(9月読了)

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ザ・万歩計

ザ・万歩計
万城目学
文春文庫、2010/7/9

万城目学の初エッセイ集。とりとめのない話が続くが、著者の文章から漂う、独特な力の抜けた感じが、読んでいた心地よい。
著者は自分よりちょうど十歳若いが、本書を読むと、世界中旅をしていたことがわかる。そのような経験が小説家になるのに生かされているのかと思うと、人生何事も勉強だな、と感じた。

先日も、このコミュニティFMを聴いていたら、ボサノバがかかっていた。初めは洋楽かなと思っていたが、どうやら日本語のようである。なぜか妙に気になってボリュームを上げた。 サボテン もろてん 食べてん しもてん という歌詞が聞こえてきた。[略] タイトルはーー『おなかのはり』。(pp.23-24)

優等生とは、資質である。性格である。昔話では、正直で真面目なお百姓が必ず最後に報われる。真面目とは農作業における神である。おもしろみのない基礎の工事に時間をかけることを厭わぬ姿勢が、やがて絢爛たる建造物を築き上げるのだ。加えて私が看破したのは、優等生とは天然である、ということだ。頭で考え、意図して真面目を貫いているのではない。生来の習性として、そう行動せざるを得ないのである。(p.96)

(9月読了)

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シモネッタのデカメロン

シモネッタのデカメロン―イタリア的恋愛のススメ
田丸久美子
文春文庫、2008/2/8

米原万里の親友でイタリア語通訳の著者によるエッセイ。通訳で経験した様々な話を面白おかしく語る。
同じ通訳でも、米原の書いたものと趣が違うのは、やはりロシア人とイタリア人の気質の差だろう。イタリア人の明るさが、本書にも反映されていて、読んでいて楽しい。
文庫版あとがきで、米原への追悼を書いているが、心情が切々と伝わっていて涙を禁じ得ない。彼女も、自分が「打ちのめされるようなすごい本」を読んで感じたのと同様、米原の民間療法への傾斜に危惧を覚えていたのを知り、今更ながら、なぜ西洋医学に頼らなかったか、と悔やまれる。

普通、イタリアで食事中に飲むのはワイン。あまり酒に強くない男性は、女性より先に酔いつぶれる失態をさけるため、デート前に大さじ一杯程度のオリーブオイルを飲んでおく。こうするとオイルが胃壁をカバーし、アルコール吸収を妨げてくれるのだ。食事中は、パンを口にしてはワインを流し込み、パンにワインをすわせる。彼らはこんな涙ぐましい努力をして、その後の《愛の格闘技》に備える。(p.28)

イタリアの男性は女性を甘やかし、つけあがらせるとは思っていたが、[ローマに絵画留学中の]彼女も二年の滞伊ですっかいイタリアずれしていた。[略] 自分の下腹部に手を置き「今はここを日本で休ませてるの。イタリアじゃ、ほんと休む暇もないもの。そういえば、あなた日本の近て大宇で、寝たくなる男って見つかる?一人もいないでしょ。ローマじゃね、必ず一つの車両に三〜四人は、あー、寝たいなと思う色気のある男がいるのよ」[略] 日本女性は昔と比べると、バスとも大きくなり随分セクシーになっているというのに、男性、特にサラリーマンはおしゃれも下手で、まだ色気を発散するレベルに達していない。(pp.56-57)

科学的かつ論理的アプローチを好んでいた万里が、医学的な裏付けの薄い民間療法にこり始めていることに、私は一抹の危惧を覚えていた。(p.284)

(9月読了)

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アリアドネの弾丸

アリアドネの弾丸
海堂尊
宝島社、2010/9/10

新型MRIの撮影室で起きた死亡事件を巡り、いつものメンバーが登場して謎解きをする。
著者は、基本的に司法関係者が嫌いなんだろうな、とよくわかる。

(9月に読了)

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自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来

自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来
グナル ハインゾーン 、猪股 和夫 (翻訳)
新潮選書、2008/12/20

世界で起こる大量虐殺などの原因を、人口統計に見える「ユースバルジ(youth bulge)」に求め、それを検証していく。「バルジ」とは、年代別の人口をグラフに表した人口ピラミッドの「外側に異様に膨らんだ部分」を指す言葉で、ある国の15歳から29歳までの男子(戦闘年齢世代)が、その国の男性人口の30%を超えたとき、「ユースバルジ」が発生し、その社会が不安定化する、というのが主旨。
宗教や政治的お題目は表向きに過ぎず、長期的に見て動物としての人間が人口統計的に、ユースバルジで発生する人口圧力を発散するために戦争をしたり内紛をしたりする、という主張は、今までの人権主義的主張とは一線を画していて興味深い。

ヨーロッパで大航海時代に始まる世界征服が起きたのは、魔女狩りで産児制限ができなくなった結果、ユースバルジが発生してその余剰人口をヨーロッパ内部で吸収できなかったためである、という指摘は非常に説得力がある。

著者によれば、今後ヨーロッパの人口が減少する一方、第三世界(アラブ、アフリカ)でユースバルジが発生することが見込まれ、それがどのような影響を引き起こすか注意が必要だが、アメリカや中国はすでにユースバルジに気づいて長期戦略を立てている。ロシアは今後急激に人口が減少するために中央アジア、東アジア地域で影響力を減らし、国土の維持自体が難しくなる可能性がある。

日本でのユースバルジは団塊の世代による極左テロが指摘されている。

内容はとても興味深いが、原文が悪いのか、訳が悪いのか、非常に読みづらく、その点が残念だった。

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経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目

経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目
新将命
ダイヤモンド社、2009/12/11

外資系企業の社長を務めた新将命氏が、近年のビジネス書が流行を追いすぎているのではないかと考え、不易流行の不易の部分を経営者に伝える目的で書いた本。
非常に熱い本で、心の準備が不十分のまま読んで消化不良になっているので、要再読。
自分にとっては、新氏にはNHKビジネス英語の土曜担当講師としてなじみがあったので、あまり違和感なく手に取ることができた。

いわゆる頭の良さに関していえば、天才である必要もなければ秀才である必要もない、ほどほどでもかまわない。平均を上回る程度で良い。しかし倫理性は違う。経営者であれば、人より並外れて高い倫理性をもたねばならないーー[ジョンソン・エンド・ジョンソンアメリカ総本社の会長は]そう答えたのである。(p.75)

倫理性と並ぶ要素に「高潔」がある。英語では「Integrity」がこれに相当する。高潔さも経営者には不可欠な資質といえよう。経営者の高潔さは、言行一致の度合いと、約束を守る、という二つの面に如実に表れる。いったこととやっていることが一致している経営者は、高潔さの条件の一つを兼ね備えているものだ。(p.78)

人は結局、思ったとおりの自分になる(ゲーテ)(p.79)

私は課長時代から社長時代に至るまで、年に四回[PDCAの]Cだけのためのセッションを開催することにしていた。年度始めに幹部社員と予定を組み、この日はCをやる日だと日程をブロックしておくのである。[略] Cセッションでは、前期(前年)はどのような点がうまくいって、どのような点がうまくいかなかったのかという評価と学習と反省を行う。そして次期はこうしようという改善案を一緒に持ち寄る。これを継続していくと、会社と部門の経営品質が時間とともに高まる。これが、Cにより「学ぶ組織」と「学ばない組織」の差となって表れ、時間の経過とともにボディブローのように効いてくる。効果は業績の差に現れる。(p.178)

次の言葉は、ピーター•F•ドラッカーが残した至言である。まさに評価の大原則といえよう。「報酬は貢献に対して与えられるべきものである。単なる努力は賞賛の的に過ぎない」(p.197)

私自身、数百人の中途入社の面接を行ったが、その際に必ず訊いていた質問が四つある。
1. あなたはなぜ、いまの会社を辞めてここに入りたいと思うのですか?(転職動機)
2. これまでのビジネス経験の中で、あなたが成し遂げた最大の功績は何ですか?(結果が出せる人材かどうか)
3. これまでのビジネス経験の中で、あなたが犯した最大の失敗は何ですか?その失敗経験から何を学びましたか?(チャレンジ精神と学習意欲)
4. あなたの人生の長期と短期の目標は何ですか?具体的に述べてください(目標志向の人間であるかどうあk)
これら四つの質問にどう答えるかで、候補者のおおよその人となりがわかる。(p.217)

ケンタッキー•フライドチキンの創業者、カーネル•サンダースは次の言葉を残している。「人間は論理により説得され、感情と利害により動く」
人は感情的な動物であって、感情や論理だけでは動かない。では何が必要かというと、「論理+感情=情理」、これで人は動くということだ。論理を重視しながらも、「情理」に軸足を置く。経営者に必要なのはこのバランス感覚だろう。(pp.243-244)

社長は心の強靱性をどうやって保てば良いのか。私自身が取り組んできた事柄をいくつかご紹介しよう。
1. 「夢」を描く
 まず何よりも、「ゆくゆくはこういう会社にしたい」という夢を描くことだ。[略]
2. 「失敗」という言葉を追放する
 一度つまずいたらもう二度と立ち上がれない、というのを「失敗(Failure)」という。これに対し、たとえ一度はつまずいたとしても、その後の取り組み次第でリカバリーショットを打つことができるものを「挫折(Setback)」という。[略]
3. 勝海舟『氷川清話』を心の支えとする[略]
4. 命まではとられない、と考える (pp.253-255)

42歳でジョンソン・エンド・ジョンソンに移籍し、ニュージャージーの総本社に出張したときのこと。当時の会長だったジェームズ•バーク氏がスピーチで語った言葉を、私はいまでも忘れることができない。
「何かをやっていい結果を出したいと思うなら、物事はすべからく"FUN"でなければならない」
何かに取り組むとき、「真剣」にやるのは大いに結構。だが、「深刻」になってはいけない。どうせやらねばならない仕事なら、思い切り楽しんでやれ。そうすれば、きっといい結果がついてくるーー大袈裟に聞こえるかもしれないが、バーク氏のこの言葉によって私の人生は大きく変わった。(pp.256-257)

[J&Jの社長に就任したとき、当時の会長からいわれた二つのこと]
ひとつは、「業績を伸ばすこと。ただしいかなる場合であっても、倫理的に問題があることは絶対にやってはならない」ということ。そしてもうひとつ、
「これからの数年官で、たとえあなたが社長としてどれだけ立派な業績を上げたとしても、社長職を辞すときまでに自分の後継者を育てていなければ、私はあなたに50点以上の点数はつけられない」(p.260)

少にして学べば、壮にして為すなり
壮にして学べば、老いて衰えず
老いて学べば、死して朽ちず(言志四録) (p.270)

会社を倒産させた社長達がつくる「八起会」の会合で、「自分たちが会社を倒産させてしまった最大の原因は何か」について話し合った結果、こんな結論が出た。
1. 「傲慢さ」
2. 「経営の原理原則についての勉強を怠ったこと」
3. 「次代を担う幹部社員の育成を怠ったこと」
4. 「売れる商品やサービスの開発が十分にできなかった」というものだった。
もうお気づきのことだろう。実に一番目から三番目までの理由は、すべて「人」に起因する問題だったのだ。(pp.273-274)

諫言してくれる人を持つにはどうすればよいか。わたしからのアドバイスは、「三人のメンターを持て」である。(p.277)

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残念な人の仕事の習慣

残念な人の仕事の習慣
山崎将志
アスコム、2010/9/20


能力はあるが結果が今ひとつになってしまう人を「残念な人」と定義し、どのような人が残念な人か例を挙げていく。

著者が卒業後就職したコンサルに自分もいたので、シカゴでの新入社員研修の記述はなつかしく読んだ。が、しっかり研修をしたあとに遊ぶ体力があったことで「人間は意外とタフである」などと臆面もなく言っているあたり、なんとなく著者の研修態度が見えてしまう。

また、腰を痛めてから、六時に帰ることにしたために同僚に色々迷惑をかけ、次第に著者のポカを先回りして確認してくれるようになった。それを、今は彼らがリスクを減らす訓練になってよかったのではないか、といったことを述べている。(p.128あたり)

上記2点から、むしろ著者自身が「残念な人」だったのではないか、と思えてくるのは気のせいか。

また、ブックカバーを単にコストと見ているが、これは、万引き防止や会計済み商品であることを示す標識でもあるので、単なるコストではない。この例を含め、全体的に分析が浅いと思わせる本。

相手によって変わるプレゼンのポイント
     役員、部長、課長、担当者
人となり ーーー相手の関心事ーーー 知識
what,why ーーー聞きたいことーーーhow
一枚の紙  ーーー欲しいものーーー厚い資料  (p.78)

面白いことはそこら中に転がっている。キーワードは、ゲーム化、日常へのフィードバック、勉強との接点、自分のポジションの構築である。繰り返すが多くの人が気づいていないのは、面白い仕事は、つまらない仕事の積み重ねで成り立っているということである。(p.140)

我々働き手は標準化の圧力にさらされている。あたなの仕事は、以下の3点に照らし合わせてみて堂だろうか。
1. よその邦、特に発展途上国にできること
2. コンピュータやロボットにできること
3. 反復性のあること(『ハイ・コンセプト』ダニエルピンク)
もし、あなたがこの三つの条件に一つでも当てはまる仕事をしているとしたら、将来をよく考え直す必要があるだろう。(p.146)

スーパーで板チョコを買うとしよう。[略]値段が全く同じだったら、好きなものを買う。では、その好きなものよりも、他の二つの方が値段が安かったとき、一体いくらまでの差なら好きな方を買うのだろう。買い物で何か一つを選ぶ。一つが選ばれた瞬間に、他の二つは競争に負けているのだ。我々も社内で、あるいは労働市場で同じように選ばれているのである。選ばれないと感じている人は、自分が選ぶと言うことに敏感になることから始めてみてはどだろう。[略]あなたの選び方のこだわりが、相手からの選ばれ方と比例する可能性があるからだ。何でもいい加減に選ぶ人は、いい加減に選ばれる。安いものばかり選ぶ人は安いかどうかで選ばれてしまうものだ。(p.148)

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植村八潮 電子書籍講演

10/11/11
演題:「電子書籍の現状と将来像」
講師:植村八潮、東京電機大学出版局長
主催:出版メディア協議会

・文字離れはしていない。紙ベースで考えると減っているが、情報流通量で考えれば膨大な拡大
・情報流通量の拡大→DTP技術などは早く覚えて早く陳腐化する時代
・電子書籍市場:電子辞書400億、デジタルコミック500億
・紙で出来ないことを付加した電子化は成功している
・Amazonを始めネット通販業界のビジネスモデルは既存小売業の売上を奪うこと。
 →Kindleは既存印刷の売上を奪うことしか考えていないので、「本のすること以外はしない」方針
・印刷会社は請負業体質
 →例えば、出版関係者なら当然できる、出版物(有料)と印刷物(無料)の区別がつかない
・大日本スクリーンは常に違う商品を違う市場に売ってきたが、印刷は同じ商品を同じ市場に売ってきた
 →30年間幸せな時代が続いただけで、これからは違う市場を視野に入れる必要がある

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ザ・ビジョン

ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか
ケン・ブランチャード
ダイヤモンド社、2004/1/8

主人公の女性がある会社に勤め、そこで社長と一緒にビジョンとは何か、を考えていき、その中で家族との関係も見直していく、というストーリー。
お話自体はどちらかというと付け足しのようなものなので、本文の太字の部分だけ拾い読みすれば一時間足らずで読める。
ビジョンとは何か、ビジョンとミッションステートメントの違い、などについて一つの考え方を知るには良い。

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わが友マキアヴェッリ3

わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈3〉
塩野七生
新潮文庫、2010/4/24

マキアヴェリ失脚後、『君主論』を著作し、生涯政界への復帰を夢見ながら失意のうちに世を去るまで。

時代の流れというのは、個人の努力では時にいかんともしがたいものだということを感じた。

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わが友マキアヴェッリ2

わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈2〉
塩野七生
新潮文庫、2010/4/24

マキアヴェリがノンキャリア役人として勤め始めてから失脚するまで。

仕事の分担が明確でないのを良いことに、与えられたことは与えた方が期待した以上にし、また、自分で仕事を見つけてきてやるタイプだった。これが、十五年後に起こるメディチ家復帰とともに失脚したマキアヴェッリに対し、彼よりは官位が上であったヴィルジーリオが、その職に留まりつづけた理由のひとつと思われる。(p.31)

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わが友マキアヴェッリ1

わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈1〉
塩野七生
新潮文庫、2010/4/24

『君主論』の著者マキアヴェリの生涯をまとめた本。第一巻は生まれてから役所に勤めるまで。
本書3巻の解説を佐藤優が書いている。ノンキャリ外交官で失脚してから著作を書いた、という経歴がよく似ていることに驚く。

真に根付いた民主政は輝くものではけっしてないのだが、そういうことは、主義主張に目を曇らされずに見ることのできる人にしかわからないものなのである。(p.85)

人間は、運に恵まれない人に対して同情はするが、幸運に恵まれつづける者のほうを好むものである。(p.147)


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交渉術

交渉術
佐藤優
文藝春秋、2009/01

ロシアでの外交によって実地に身につけた交渉の裏側をちらちら見せながら、それ以外の部分は外交官時代の暴露の話が多い。「自壊する帝国」で既出の話を視点を少し変えて繰り返されている部分もあるので、そろそろネタ切れか、とも思わせる。

インテリジェンスの上で宗教教典や神話は非常に重要な研究対象でもある。宗教経典や神話に現れた論理は、それらの物語を共有する人々(民族や国家)の、いわば通奏低音として流れる論理を示しているからだ。いまあげた、旧約聖書を題材にする交渉術の研究も、イスラエルやロシアなどのインテリジェンス養育で実際に行われているのである。インテリジェンスの専門家は、対象国や民族の神話、宗教経典、義務教育で使用される歴史、国語の教科書には必ず目を通す。交渉術においても、相手の内在的論理を捉える研究は不可欠である。(p.26)

ロシア人に言わせれば、騙す者が悪いのではなく、騙される者が間抜けなのである。このようなロシア式交渉術は、そのままインテリジェンス交渉術に採用できる。道徳や倫理に従って行動することは一般社会では善で、賞賛される価値であるが、交渉術の世界ではそうではない。[中略]「交渉術は、善でも悪でもない、価値中立的な技法」だからだ。(p.37)

[コンラート]ローレンツの指摘から、二つの教訓を導くことができる。一つは「人間は動物と同族」であること、「行動をその原因(フロイトの学説では性衝動)によって説明」することの重要性である。そしてもう一つは、「人類は、あらゆる手段を作って、おてもりの自己評価を守ろうとする」ということだ。別の言葉で言うならば、人間は本質的に保守的なものーすなわち、自分たちは動物であることを否定したり、隠したりしたがる存在なのである。インテリジェンス交渉術においては、この両面を頭に入れておかなくてはならない。(p.39)

ここでも動物行動学の知見が役に立つ。動物は、自らに危害を加える可能性のある動物や人間が近寄ってくると逃げる。餌をくれたり、助けてくれる動物や人間にはすり寄る。インテリジェンス工作においても、対象者は、脅してくる者には最低限の協力だけして逃げようとし(自殺も逃亡の一形態)、助けてくれる者には自発的に協力する。「ハニー・トラップ」でも、基本は、困った状況に陥った対象者を「助けてあげる」のだ。(p.51)

ハニートラップの要諦は、ほんものの恋愛に介入し、恩を売り、工作対象者が自らが所属する組織の誰にも相談できないような状況を作り出すことだ。逆に言えば、工作対象者が、不利益を覚悟してでも、自分が所属する大使館、会社などに相談すれば、工作は終わりになる。(p.57)

通常、日本の宴会で見られるように、ビール、日本酒、そして食後にウィスキーのオン・ザ・ロックというように、アルコール度の低い方から高い方に向かっていくというのが、酒の飲み方の国際スタンダードだ。[略][アルコール度の高い方から低い方にというような]要領で酒を飲むと、普段の二〜三倍が体内に入るので、大抵の人ならば酔いつぶれてしまう。(p.89-90)

これは日本人、特に官僚と政治家に適用すると効果が大きいのであるが、秘密情報について、相手に質問し、返事が返ってこないときに、「ああ、失礼しました。あなたは知らないのですね」とさりげなく呟くことだ。次の瞬間に相手が、色をなして「そんなことはない。俺はちゃんと知っている」と言って、秘密を語ることが、私の経験則では三割程度の確率である。「情報を伝えられていないということは、重要人物でないことの証拠」というような、情報伝達を巡る日本特有の文化に付け込むのだ。(p.92)

「この前、パリに休暇で行ってきたのですが、空港の免税店であなたに似合いそうなネクタイを見つけたので、どうぞ受け取ってください」と言って渡したら、90パーセントの確率で相手は受け取る。この場合、「買ってきた」という言葉を発しないことがコツである。「見つけた」とか、「手に入れた」という表現をすることだ。「買った」、「売っていた」など金銭を想起させる言葉を一切発しないことである。エルメスのネクタイならば三〜四万円はする。一万円の現金ならば受け取らない人も三万円のネクタイならば抵抗感なく受け取る。この辺の人間の心理を衝くのだ。もちろん、インテリジェンス工作に従事する人は善人ではない。従って、どこかの段階で「あんたは累計これだけの賄賂を受け取っているのだ」ということを相手に認識させなくてはならない。(p.114-115)

インテリジェンス交渉術の観点から工作対象者との関係において、理想的関係はどのようなものか。まず、こちら側と相手が友人であるという表象を維持する。しかし、実際には六対四くらいで、こちら側が優位にあるという関係である。なぜ友人であるという表象が重要かというと、相手がカネで雇われているという認識をもつと「報酬の範囲内で協力すれば良い」という態度になり、情報提供に置ける積極性が失われるからだ。友人ということになれば、積極的にこちら側の意図を忖度して、相手が情報収集に従事するというのが私の経験則だ。人間の認識は非対称的である。六対四の関係を維持するために、例えば食事の際に総額が[略]八対二とか九対一くらいの比率になったところではじめて六対四くらいの関係であると認識するのである。(p.119)

「死んだふり」や土下座は、相手を畏怖させる。徹底した弱者の立場に立つことで、力関係を逆転させる契機をつかむことができる。(p.194)

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100年予測―世界最強のインテリジェンス

100年予測―世界最強のインテリジェンス
ジョージ フリードマン
早川書房、2009/10/9

21世紀の100年を地政学的に予測する。
アメリカの覇権は続き、中国、ロシアは崩壊し、日本、トルコ、ポーランドが伸張してアメリカと覇権を争い、アメリカに負ける。20世紀を100年ずらして、プレーヤーを少し変えた話という感じになっているが、地政学的に考えると、その時々のリーダーが誰であれ、そのようなストーリーは不可避だと著者は説く。
長期予測なので、当然著者の予測が当てはまるとは限らないが、アメリカの基本戦略が、世界の各地域を安定させることではなくて不安定に保つことで、アメリカ以外の覇権候補国を作らないようにするものである、という話は非常に示唆的だった。その戦略に従うならば、確かにベトナム、イラン、イラクなどへの介入が失敗してもまったく問題がなく、むしろ失敗することによってアメリカの戦略的目標が達成されていると述べられているのは、現状を鑑みて腑に落ちた。

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