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経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目

経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目
新将命
ダイヤモンド社、2009/12/11

外資系企業の社長を務めた新将命氏が、近年のビジネス書が流行を追いすぎているのではないかと考え、不易流行の不易の部分を経営者に伝える目的で書いた本。
非常に熱い本で、心の準備が不十分のまま読んで消化不良になっているので、要再読。
自分にとっては、新氏にはNHKビジネス英語の土曜担当講師としてなじみがあったので、あまり違和感なく手に取ることができた。

いわゆる頭の良さに関していえば、天才である必要もなければ秀才である必要もない、ほどほどでもかまわない。平均を上回る程度で良い。しかし倫理性は違う。経営者であれば、人より並外れて高い倫理性をもたねばならないーー[ジョンソン・エンド・ジョンソンアメリカ総本社の会長は]そう答えたのである。(p.75)

倫理性と並ぶ要素に「高潔」がある。英語では「Integrity」がこれに相当する。高潔さも経営者には不可欠な資質といえよう。経営者の高潔さは、言行一致の度合いと、約束を守る、という二つの面に如実に表れる。いったこととやっていることが一致している経営者は、高潔さの条件の一つを兼ね備えているものだ。(p.78)

人は結局、思ったとおりの自分になる(ゲーテ)(p.79)

私は課長時代から社長時代に至るまで、年に四回[PDCAの]Cだけのためのセッションを開催することにしていた。年度始めに幹部社員と予定を組み、この日はCをやる日だと日程をブロックしておくのである。[略] Cセッションでは、前期(前年)はどのような点がうまくいって、どのような点がうまくいかなかったのかという評価と学習と反省を行う。そして次期はこうしようという改善案を一緒に持ち寄る。これを継続していくと、会社と部門の経営品質が時間とともに高まる。これが、Cにより「学ぶ組織」と「学ばない組織」の差となって表れ、時間の経過とともにボディブローのように効いてくる。効果は業績の差に現れる。(p.178)

次の言葉は、ピーター•F•ドラッカーが残した至言である。まさに評価の大原則といえよう。「報酬は貢献に対して与えられるべきものである。単なる努力は賞賛の的に過ぎない」(p.197)

私自身、数百人の中途入社の面接を行ったが、その際に必ず訊いていた質問が四つある。
1. あなたはなぜ、いまの会社を辞めてここに入りたいと思うのですか?(転職動機)
2. これまでのビジネス経験の中で、あなたが成し遂げた最大の功績は何ですか?(結果が出せる人材かどうか)
3. これまでのビジネス経験の中で、あなたが犯した最大の失敗は何ですか?その失敗経験から何を学びましたか?(チャレンジ精神と学習意欲)
4. あなたの人生の長期と短期の目標は何ですか?具体的に述べてください(目標志向の人間であるかどうあk)
これら四つの質問にどう答えるかで、候補者のおおよその人となりがわかる。(p.217)

ケンタッキー•フライドチキンの創業者、カーネル•サンダースは次の言葉を残している。「人間は論理により説得され、感情と利害により動く」
人は感情的な動物であって、感情や論理だけでは動かない。では何が必要かというと、「論理+感情=情理」、これで人は動くということだ。論理を重視しながらも、「情理」に軸足を置く。経営者に必要なのはこのバランス感覚だろう。(pp.243-244)

社長は心の強靱性をどうやって保てば良いのか。私自身が取り組んできた事柄をいくつかご紹介しよう。
1. 「夢」を描く
 まず何よりも、「ゆくゆくはこういう会社にしたい」という夢を描くことだ。[略]
2. 「失敗」という言葉を追放する
 一度つまずいたらもう二度と立ち上がれない、というのを「失敗(Failure)」という。これに対し、たとえ一度はつまずいたとしても、その後の取り組み次第でリカバリーショットを打つことができるものを「挫折(Setback)」という。[略]
3. 勝海舟『氷川清話』を心の支えとする[略]
4. 命まではとられない、と考える (pp.253-255)

42歳でジョンソン・エンド・ジョンソンに移籍し、ニュージャージーの総本社に出張したときのこと。当時の会長だったジェームズ•バーク氏がスピーチで語った言葉を、私はいまでも忘れることができない。
「何かをやっていい結果を出したいと思うなら、物事はすべからく"FUN"でなければならない」
何かに取り組むとき、「真剣」にやるのは大いに結構。だが、「深刻」になってはいけない。どうせやらねばならない仕事なら、思い切り楽しんでやれ。そうすれば、きっといい結果がついてくるーー大袈裟に聞こえるかもしれないが、バーク氏のこの言葉によって私の人生は大きく変わった。(pp.256-257)

[J&Jの社長に就任したとき、当時の会長からいわれた二つのこと]
ひとつは、「業績を伸ばすこと。ただしいかなる場合であっても、倫理的に問題があることは絶対にやってはならない」ということ。そしてもうひとつ、
「これからの数年官で、たとえあなたが社長としてどれだけ立派な業績を上げたとしても、社長職を辞すときまでに自分の後継者を育てていなければ、私はあなたに50点以上の点数はつけられない」(p.260)

少にして学べば、壮にして為すなり
壮にして学べば、老いて衰えず
老いて学べば、死して朽ちず(言志四録) (p.270)

会社を倒産させた社長達がつくる「八起会」の会合で、「自分たちが会社を倒産させてしまった最大の原因は何か」について話し合った結果、こんな結論が出た。
1. 「傲慢さ」
2. 「経営の原理原則についての勉強を怠ったこと」
3. 「次代を担う幹部社員の育成を怠ったこと」
4. 「売れる商品やサービスの開発が十分にできなかった」というものだった。
もうお気づきのことだろう。実に一番目から三番目までの理由は、すべて「人」に起因する問題だったのだ。(pp.273-274)

諫言してくれる人を持つにはどうすればよいか。わたしからのアドバイスは、「三人のメンターを持て」である。(p.277)

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