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文学部唯野教授(再読)

文学部唯野教授
筒井康隆
岩波書店、1990/1/26

自分が持っているのはハードカバーだが、本書を読むのは三度目。一度目は外国語を読んでいるようで全くわからず途中で投げた。二度目は、なんとか筋だけは追うことができた。三度目の今回は、哲学・思想について少しは学んでいたので、ようやく少しは楽しみながら読むことができた。

話の筋自体は単純。小説家であることを隠している唯野教授が遭遇する日々の出来事を描きながら、同時進行的に、大学の授業という形で文芸批評の入門解説をしていく。
同時に、著者である筒井康隆が、時々本書の中に顔を出すことによって、一般的な小説形式を揺り動かす。
また、本書に出てくる有名な大学教授や思想家などは、誰をパロディにしているかがわかる人にはわかるようになっている。自分は全てはわからないが、今回読むに当たって何人かは推測することが出来た。
しかし、本書の意図を読み取るためには、さらに時間をおいて、深く読めるようになってからでなければついていけないことを感じた。

だいたい批評家って人たちは、本来は作家がいるからこそ生きていける人たちなんで、最初から作家に負けてるわけなんだけど、どうしても作家に勝とうとするの。でもやっぱり作家にかなわない。批評家が言われることをいちばん嫌うことばは『そんならお前が小説を書いてみろ』なんだけど、作家は批評家よりもやさしい人が多いから、最近じゃそんなこと滅多に言いません。(pp.227-228)

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