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日本でいちばん大切にしたい会社

日本でいちばん大切にしたい会社
坂本光司
あさ出版、2008/4/1

「日本にこんなすばらしい会社があったのか」という宣伝文句で売れている、ということと、著者坂本氏の講演を聞く機会もあったことから、一読。

著者は、次の「五人に対する使命と責任」(p.20)を果たすための活動を会社経営と考える。
1. 社員とその家族を幸せにする
2. 外注先・下請企業の社員を幸せにする
3. 顧客を幸せにする
4. 地域社会を幸せにし、活性化させる
5. 自然に生まれる株主の幸せ

著者の書き方が感動的なのと、そのような会社の例を取り上げているから、感動好きな日本人に売れているのだと思うが、実際に中小企業を経営している立場で読むと、あまりその「感動」にノれなかった。
本書を、典型的なtear jerkerとしか読めなかったのは、自分の見方が斜めすぎるか。
自分は、中小企業は存在しているだけで社会に貢献している、と考えているので、それでは不足だ、と考える著者と考え方が相容れないのかもしれない。

また、著者は自身で経営をしているわけではなく、あくまで大学教授という部外者の立場で物を言っているに過ぎないし、世の中にこのような社会に貢献している会社がある、ということを紹介しているだけである。だから「普通の会社」はどのようにすべきか、ということについて具体的な指針を与えているわけではない。

無論、本書によって示唆を受ける部分も多く、参考にすべき点は多々あるので、読むに値する本ではある。が、著者が紹介するのは、「普通でない」会社ばかりで、だからこそ感動を呼んだのかも知れないが、私のような「普通の」人間にはなかなかできない立派な会社だなあ、という感想を持った。

「幸福とは、1)人に愛されること、2)人にほめられること、3)人の役に立つこと、4)人に必要とされることです。そのうちの2)人にほめられること、3)人の役に立つこと、そして4)人に必要とされることは、施設では得られないでしょう。この三つの幸福は、働くことによって得られるのです」(p.49)
そこであるとき、塚越会長に「会社のトップとしては、どこまで先を見て経営をされているのですか?」とお聞きしたことがあります。すると塚越会長は、「およそ100年先を見て経営をしています」と当然のように言うのです。「100年先でも価値ある企業として存続していることを考え、経営の舵取り・決断をするようにしています。社員にもこのことを知って、強くやさしく生きてほしいのです…」伊那食品工業では、そのことの具現化として会社のあちこちに「100年カレンダー」を貼っているのです。(p.96)

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