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ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊

ぼくらの頭脳の鍛え方
立花 隆、佐藤 優
文春新書、2009/10/20

立花隆、佐藤優が、対談形式で読者に薦める400冊。
哲学、思想、政治、宗教関係の書籍が多く挙げられている。
佐藤は彼自身が読んだ方が良いと思う本を主に挙げているのに対し、立花は、「あまり役には立たないけどこんな考え方もあったんだということを知ってほしい」といった、かなりひねくれた薦め方をしているものがある。そのため、自分としては立花より佐藤の推薦書に従いたい。

また、立花は麻生前首相について、「バカ丸出しとしかいいようがない麻生前首相の言うことなすことのすべてに批判的だったが、日本のアニメとマンガは日本が世界に誇るべき文化資産とみなすべきだという見方は正しいといまでも思っている」(p.321)と、批判したわりに、選んだ漫画が宮崎駿、手塚、つげ義春など、必ずしも今の日本のアニメとはいえない、ピントのずれた作品を選んでいる。そんなあたり、立花は実はよくわかっていないのに麻生前首相を批判していたのではないか、と思った。

本書の対談や文章を読んで、立花の感覚が、癌で闘病中ということもあり、以前の鋭さを失っているのではないかと感じた。

佐藤優選:『歴史的現実』[中略]学徒出陣兵が本書を抱いて特攻に出撃したと言われている。岩波書店から刊行されたが、戦後、同版元からは刊行されていない。岩波書店の戦争責任を考える上でも重要な資料である。(p.78)

佐藤:昨年(2008年)「週刊金曜日」で土井たか子さんと対談しました。[中略]土井さんは[中略]、国会で改正手続きを経て制定されているので、現行憲法は欽定憲法であり、現行憲法と大日本帝国憲法は連続しているという認識を彼女はもっているんです。もう一つ。彼女は九条護憲論は取らない。一条から八条までも含めた、すなわち象徴天皇制を含めた護憲論の立場です。「私は共和制論者じゃありません。社会主義者だと思ったこともない」と言うんです。(p.208)
佐藤:「なんで今までそのことを言わなかったんですか?」と訊いてみたんです。そしたら「だって、あなた以外、誰も聞かなかったじゃない」と(笑)。訊けば答えていたんですよ。(p.210)

佐藤:教養の定義はどう考えますか?
立花:[前略]以前こんな定義をしたことがあります。「人間活動全般を含むこの世界の全体像についての幅の広い知識」(『東大生はバカになったか』文春文庫、p.151)。もうすこしくだいたいい方をすれば、こんないい方もできるでしょう。「その人の精神的自己形成に役立つすべてのもの」「現代社会を支えている諸理念の総体」。(p.211)
佐藤:マルクス主義、キリスト教という毒薬を解毒する力というのが教養ではないでしょうか。(p.214)

佐藤:立花さんはポパーの『開かれた社会とその敵』を挙げていらっしゃいましたね。私はポパーの反証主義がディベートの手続きとして重要だと思うんです。
立花:相手の主張を最後まで聞いた上で、具体的にどこがおかしいかを批判していく。それによってその主張の本質的な部分が崩れるかどうか吟味していく。ポパーは実験や観測によって反証可能な仮説であることが、科学的な仮説であるための必要条件とした。[中略]
佐藤:反証主義が根付いていない日本は、ディベートと国際スタンダードでの書評がない国なんです基本的にネガティブな書評が、日本の文化ではやりにくい。論戦でも、論理は無視して、争点もないまま、人格的な誹謗中傷に終始する、こういう文化ですから。(p.224)

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