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オタクはすでに死んでいる

オタクはすでに死んでいる
岡田斗司夫
新潮新書、2008.4.20

 いつからおたくはオタクになり、「萌え」がオタクの必要条件になったのか?その疑問からスタートして、本書は、SFブームの勃興と隆盛そして衰退という三つの世代をオタクの歴史に重ね、その滅亡を論じている。言われてみれば、確かに自分もMacオタとして一時期秋葉原に生息していたけれども、必ずしも萌えてはいなかった。

 かつておたくは迫害された誇り高い民族だった。1970年初頭少年マガジンに美少女が巻頭をかざるようになって萌えが生まれ、それでもまだおたくはお互いに認め合っていた。しかし、2000年以降「電車男」に代表される萌えブームが起こり、「萌え」られさえすれば自分はオタクだ、という「萌え」の暴走が起こった結果、「萌え」ではない鉄道おたくや軍おたくなどと互いに意思の疎通が不可能になり、「オタクは死んだ。オタクという共通文化や民族は死んだ」(p.173)。
 しかしそれはオタクの世界だけに起こっているのではない。日本人が、「無理して大人になるよりも、楽して子どもっぽく得して生きる」(p.172)ことを選び、「そのような『品格』『見識』を持つべきだという価値観、すなわち『かつての日本人』や『昭和という時代』そのものが死んでしまった」(p.173)によって引き起こされた一つの現象にすぎない。
 だから、かつておたくだった者どもは、これからは個々に誇り高く、大人として生きていかなければならない。

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