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書店繁盛記

書店繁盛記
田口久美子
ポプラ社、2006.9.23

書店業界は厳しさを増している、と前作書店風雲録で書かれた1990年代が、のどかな時代に思えてくるほど厳しさの度合いが加速した2000年以降の書店業界の状況を、リブロからジュンク堂に転職した著者が再び一書店員の視点から書き記す。
グーグル八分といわれる恣意的な選択が実はアマゾンでも行われていた話、独特な店作りで一世を風靡した青山ブックセンターの話、一見同じ本が並んでいるように見える書店でも、棚作りにはその店の思想や個性が出る話、そしてネット書店の拡大とリアル書店の未来についての話、など「本」を巡るさまざまな興味深い話が一書店員というミクロな視点から描かれる。そしてそれが結果的に大きな環境変化を浮き彫りにしていくという点で、前作と並んで高い資料的価値を有する本である。

「しかし、本のプロとアマを分けるのはこの編集力ではないか、とつらつら思う。私たちが『自費出版』という分類わけをするのも、そのへんに理由がある。出版社と著者の契約で『書店におく』と決められた本が取次から入荷し、小説なりエッセイの棚に入れるとなんだか浮くのだ、プロの作った他の本にはじかれてしまう。...一般小説の棚に入れるのを躊躇させる出来なのだ。」(p.146)

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