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宮部みゆきの謎―最強の女流ミステリを徹底分析する

宮部みゆきの謎―最強の女流ミステリを徹底分析する
野崎六助
情報センター出版局、1999.6.3(古書¥500/¥1200E)

 宮部みゆきは、現代を代表する女流ミステリ作家である。本書は、それまでの宮部の全著作を分野ごとに分類してその広がりを把握し、その上でミステリ作家の潮流の中に宮部を位置づける。その後、それぞれの著作について短評を加え、宮部の著作に存在する構造的な傾向(たとえば、宮部の著作では、他の作家にみられるような、作中人物を複数の著作に流用して登場させるようなことがほとんどない)や、現代社会に対する問題意識(たとえば、疑似家族を登場させることで、「家族」とは何か、について著作によって思考を展開する)について解説を加える。
 本書の発行が1999年であることから最近の著書については解説がないが、宮部の全作品の分類一覧図を見ると、今までは社会は現代ミステリに分類される作品ばかり読んでおり、ハートウォーミングに分類される作品をほとんど読んでいなかったことが一目瞭然で、自分がどのように宮部を読んでいるかがわかる。
 これまでも宮部を読んだ来た読者には、これから読む著作を選択する際に利用できるし、宮部を読んだことがない読者には、宮部の全体像をつかむのに便利なガイドブックといえる。ただし、ネタバレが随所にあるので、その点には注意が必要。

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