« 笙野頼子三冠小説集 | トップページ | プラダを着た悪魔 »

幽霊たち

幽霊たち
ポール・オースター、柴田元幸訳
新潮文庫、1995.3.1

「まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。ブラウンがブルーに仕事を教え、こつを伝授し、ブラウンが年老いたとき、ブルーがあとを継いだのだ。物語はそのようにしてはじまる。舞台はニューヨーク、時代は現代、この二点は最後まで変わらない。ブルーは毎日事務所へ行き、デスクの前に坐って、何かが起きるのを待つ。長いあいだ何も起こらない。やがてホワイトという名の男がドアを開けて入ってくる。物語はそのようにしてはじまる。」(p.5)

このようにして始まる本書は、登場人物が色の名前で呼ばれることで、すべてが現実感のないいわば「幽霊」として描かれる。ブルーはホワイトにブラックを監視する仕事を依頼されるが、いつまでたっても何も起こらない。次第にブルーはいらだちをつのらせていく。

「君は私にとって全世界だった。そして私は君を、私の死に仕立て上げた。君だけが、唯一変わらないものなんだ。」(p.118)

確か、「読むことの力」で出てきて読みたくなった本。

|

« 笙野頼子三冠小説集 | トップページ | プラダを着た悪魔 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40886/14800773

この記事へのトラックバック一覧です: 幽霊たち:

« 笙野頼子三冠小説集 | トップページ | プラダを着た悪魔 »