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笙野頼子三冠小説集

笙野頼子三冠小説集
笙野頼子
河出文庫、2007.1.10

「タイプスリップ・コンビナート」(芥川賞)、「二百回忌」(三島賞)、「なにもしてない」(野間文芸新人賞)の三作品を一冊に収めた文庫。
それぞれ絶版になったため入手困難だったものを再出版するためにこのような変則的な形になった。というか、芥川賞受賞作でさえ、十年もたつと絶版になってしまうほど日本の出版事情が厳しいというのは困ったことだ。

で、本書は「読書の腕前」にあった「鶴見線に乗って読む『タイムスリップ・コンビナート』」の項を読んですぐに書店に買いに行った。

 京浜東北線「鶴見」駅から延びる「鶴見線」は、いくつかの支線を持つ海浜の工業地帯を走る線で、第一の終着駅「海芝浦」駅まで十分ほどしかかからない。本を読むには短すぎるが、しかしほかでは味わえない体験ができる。[中略]つまり、核戦争によって人類が死に絶えた後のような近未来の姿を想像させるのだ。[中略]  笙野頼子の芥川賞受賞作『タイムスリップ・コンビナート』は、まさしくこの「鶴見線」乗車をそのまま描いた小説だ。私は、この小説を読むためだけに「鶴見線」にわざわざ乗りに行ったこともある。(「読書の腕前」、p.159-160)

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