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ウェブ人間論

ウェブ人間論
梅田望夫、平野啓一郎
新潮新書、2006.12.20

ウェブ進化論を下敷きに、平野の疑問に梅田が答える、といった感じの本。
典型的な文系と理系の対話を見るように、対談は進む。平野はネットの進化に思想的な意味を与えようと色々言うが、「それがどうしたの?」という感じで梅田に軽く流される。
おそらく、読者の立ち位置によって、どちらに共感するかはっきり分かれるのではないか。

「梅田 本が『永遠に不滅』かどうかは難しいけれど、相当ながく生き残るメディアだと思います。検索性が大事な、ITの力を借りて読みたい研究書や百科辞典[原文ママ]や全集はすぐに紙ではなくデータで読むという方向に向かうでしょう。でもそれ以外の、『最初の一行目から最後の一行まで順に読んでもらいたい』というタイプの本は、今と変わらず残るんじゃないでしょうか。」(p.126)
「梅田 本とCDが一番違うのは、本はプレイヤーがいらないスタンドアローンなメディアだということです。紙という『材料としての価値』がプレイヤーという機能として本に付随しているわけです。CDはプレイヤーがないと何の意味も持たない。電源も必要。この差が結構大きいと思っています。(p.132)
「梅田 [世界から300人ぐらい受入れる]インターン全員にグーグルに関するすべての情報を開示するんですよ。グーグルを構成するシステムのソースコード、世の中には秘密で準備しているすべての新しいプロジェクトの存在を見せてしまうんです。八週間後に出て行っちゃう人たちに。もちろんNDA(秘密保持契約書)にサインはさせますよ。でも他の会社とは情報開示の程度がぜんぜん違う。」(p.150-151)
「梅田 羽生さんに言わせると、将棋の場合でも、とにかく情報量が圧倒的になっているということなんです。彼の仮説は『情報の量がいずれ質に転化する』ということらしいんです。シャワーのように情報を浴びて刺激を受けていて、しかもインプットの質が圧倒的に良くなっている。『だから[年齢的にピークを越えていても]頭がよくなるに決まってるじゃない』って、彼に言われてしまいました。」(p.171)


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