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アースダイバー

アースダイバー
中沢新一
講談社、2005.6.1

 東京を沖積世と洪積世の土地に分け、その成り立ちが現代の日本人の精神性にも深層で影響を及ぼしている、という考えに基づきながら東京を散歩していく。
 たとえば、鷲神社のお酉様がもともと一年で日照の最も短い時期に、そのアンバランスを解消するために、北極星・鷲・熊という陽を司る象徴を用いて行われた祭事であると分析する。そして、それが明治の神仏分離から日露戦争中の鷲=ロシアという表象関係のもとで鷲が排除されてしまったために元の意味からかけ離れた現在の形態になったが、一方で鷲神社の隣にあるお寺では今でも鷲を用いた熊手が売られ、それこそが本来の意味を保った形なのだと解説する。
 全体として分析にそれぞれの研究分野からの引用などがないために、それが本当に分析として正しいものなのか、中沢の直感によるものなのかが曖昧としている。それゆえに学問書として見ることは不可能であるし、どちらかというと怪しげなトンデモ本の雰囲気を漂わせている。それを承知で中沢の東京散歩につきあうつもりで読めば、それなりに楽しめる本ではある。

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