『枕草子』

『枕草子』
角川書店編集
角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス、2001/7/1、¥734(くまざわ書店錦糸町)

本書は古典の有名な段を現代訳と原文を並べ、その後に簡単な解説を加えるという形式。
今まで読んだことがなかった清少納言の枕草子を手軽に読むことができて楽しい本。

百人一首の「逢坂は人越えやすき関なれば、 鳥鳴かぬにもあけて待つとか」の由来もわかり面白かった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『国家破産はこわくない』

『国家破産はこわくない』
橘 玲
講談社+α文庫、2018/1/20、¥907(有隣堂亀戸)

日本の国家破産すなわち国債を返済できないデフォルトは将来必ず来るが、対策をすることができるので過度に恐れる必要はない、という本。

とりあえず普通預金を持っておけ、という指摘は面白かった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『習慣の力 The Power of Habit』

『習慣の力 The Power of Habit』
チャールズ・デュヒッグ (著),‎ 渡会 圭子 (翻訳)
講談社+α文庫、2016/2/19、¥994(BO510)

人間の行動の4割は「習慣」で出来ている。「良い習慣」を増やし、「悪い習慣」を減らせば人生は知らず知らずのうちに好転する。と言うことを述べた本。特に重要な習慣を「キーストーンハビット」として位置づけ、その習慣づけを重要視している。

大変示唆に富む良書。

●一番重要な習慣とは、それを変えれば、他のパターンを取り除いたり、作り替えたりできる習慣のこと(p.184)

●[アルコア社長を打診された] オニールはずっとリストの力を信じていた。リストはきちんとした生活を送るための手段だった。(p.185)

オニールは学生時代からずっとリストを書き続け、成功を収めた。

▲爆発的に売れた『経済変動の進化理論』によれば、「企業の行為の多くは決断という木の先にある小枝をじっくり観察した結果ではなく、概してその企業の過去に由来する全般的な習慣と戦略的対応の反映だと理解される」という。
 わかりやすい言い方をすると「大半の企業が慎重な意思決定に基づいて合理的な選択をしているように見えるかもしれないが、実際はそうではない」ということだ。(pp.277-278)

意識するだけでこれからの選択が変わる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『わが家は祇園の拝み屋さん』

『わが家は祇園の拝み屋さん』
望月 麻衣
角川文庫、2016/1/23、¥562(有隣堂亀戸)

『京都寺町三条のホームズ』の著者による新しいシリーズ。東京の中学で不登校になった小春は、京都で和雑貨店を営む祖母の家を手伝うことになる。次第に不思議な出来事を経験した小春は、不登校になった原因に向き合えるようになる。

ホームズシリーズは京都の観光と日常の謎を合わせた話だったが、今回は京都の観光と目に見えない神様や霊などを合わせたような話になっていて、面白く読んだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

歌舞伎座130年高麗屋三代襲名披露二月大歌舞伎

2018/02/10:歌舞伎座昼の部11:00-15:30(2階1列34番)

二月大歌舞伎

1.春駒祝高麗(はるこまいわいのこうらい)

工藤祐経:梅玉   曽我五郎:芝翫    大磯の虎:梅枝
喜瀬川亀鶴:梅丸  化粧坂少将:米吉  曽我十郎:錦之助
小林朝比奈:又五郎
     
2.一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)

一條大蔵長成:染五郎改め幸四郎
常盤御前:時蔵     お京:孝太郎    吉岡鬼次郎:松緑
茶亭与市:橘三郎   女小姓:宗之助   八剣勘解由:歌六
鳴瀬:秀太郎
     
三、歌舞伎十八番の内 暫(しばらく)

鎌倉権五郎:海老蔵
鹿島入道震斎:鴈治郎
那須九郎妹照葉:孝太郎
成田五郎:右團次   小金丸行綱:彦三郎   加茂三郎:坂東亀蔵
桂の前:尾上右近   大江正広:廣松      埴生五郎:弘太郎
荏原八郎:九團次   足柄左衛門:男女蔵   東金太郎:市蔵
局常盤木:齊入    宝木蔵人:家橘       加茂次郎:友右衛門
清原武衡:左團次
    

四、井伊大老(いいたいろう) 北條秀司作・演出

井伊大老:吉右衛門
お静の方:雀右衛門
昌子の方:高麗蔵
宇津木六之丞:吉之丞
老女雲の井:歌女之丞
仙英禅師:歌六
長野主膳:梅玉


新しい歌舞伎座になって初めて歌舞伎を見たが、以前に比べてだいぶ高くなった印象。

春駒祝高麗はひたすら絢爛豪華で目の保養。
一條大蔵譚は幸四郎が頑張っていたが、昨年の菊之助と比べてしまう。もう少し迫力が出ると素晴らしい。
暫はこれも華やかな舞台。海老蔵の押し出しで勝負。久しぶりに見て海老蔵はやはり海老蔵だったが、もうこれでいいのだろう。
井伊大老は、新作歌舞伎ということで最初の昌子の方と長野主膳の場では当惑したが、吉右衛門が登場してからはひたすら吉右衛門と雀右衛門に見入ってしまった。
吉右衛門が安定の芸で見入ってしまったが、その他梅枝、松緑、彦三郎、雀右衛門が上手だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』

『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』
佐藤 雅彦、菅 俊一、高橋 秀明
マガジンハウス、2017/11/16、¥1,620(有隣堂亀戸)

行動経済学をマンガで解説した本。

言われてみればなるほどと思うが、言われる前は無意識に行動していたことがわかる。今までの理論経済学とは趣が異なるので勝手が違うが、そういう学問もあるということで入門編としてはわかりやすく読んだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『ローマから日本が見える』

『ローマから日本が見える』
塩野七生
集英社文庫、2008/9/1、¥702(BO360)

ローマ建国から王政-共和政-帝政の変遷を簡潔に追い、「ローマ人の物語」前半を一冊にまとめたような本。最後に各時代の英雄を著者の視点から評価する。

「ローマ人の物語」の復習になり、改めてローマの物語を経験できて良かった。指導者に必要な資質として日本人がよくあげる「決断力」「指導力」などはローマでは指摘するまでもない前提条件であり、イタリアの高校生は歴史教科書でカエサルの指導力について学んでいると知って驚いた。

●「指導者に求められる資質は、次の五つである。知力。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。カエサルだけが、このすべてを持っていた」(イタリアの普通高校で使われている歴史教科書より)
--(編集部。以下略)いやはや、イタリアの高校生というのはすごいことを学校で学ぶものですね。日本ではこのところ歴史教育問題が騒がれていますが、この一節を見ると正直言ってがっくり来る。教えている内容の次元が違いすぎます。
(著者)あなたのその感想には私も同感ですが、高校が単なる受験予備校となっている日本とは違って、イタリアでは普通高校は大学dネオ専門教育を受けるに必要とされる基礎、つまり一般教養を与える機関という位置づけがされています。
--日本の旧制高校が、まさにそうでしたね。
  だからイタリアの大学には、日本の大学みたいに教養課程はありません。(p.361)

--何と言ってもカエサルを殺したマルクス・ブルータスの点数が低いですね。やはり彼はこの程度の人物だったんでしょうか。
  現代の日本人にわかりやすく言えば、この人は要するに左派インテリなのです。つまり自分には確たるビジョンはないのに、他人のやっていることには一人前の批判をする。つまり「批判のための批判」でしかない。(P.373)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『ブルースカイ』

『ブルースカイ』
桜庭一樹
文春文庫、2012/5/10、¥679(BO360)

正体不明の少女が、時代を超えて追っ手から逃れる話。第一部は1600年代のドイツ、マリーという少女が祖母と暮らす中、魔女狩りの嵐が吹き荒れて身の危険が迫る。その時、正体不明の少女が現れてともに逃げる。第二部は2022年のシンガポール。草食系の青年は、同世代の女性に圧倒されながら生活しているが、ある時突然正体不明の少女が現れ、つかの間だが一緒に逃げることになる。そして第三部で正体不明の少女の正体が2007年の鹿児島に住む17歳の青井ソラとわかる。彼女の日常生活が描かれたのち、突然の火山噴火で全てが破壊され、わずかな少年少女が時空の谷間を逃げる。そして時空管理人に追われ、全員が捕まってその時点に引き戻される。

中世ドイツの話はとても魅力的だったが、その話が大きく膨らまず、結局色々な伏線は回収されずに少女が追っ手に捕まって終わる、というのは話としてよくわからなかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

初春歌舞伎公演『通し狂言 世界花小栗判官』

2018/01/17:国立劇場大劇場(特別席1階13列36番)

『通し狂言 世界花小栗判官(せかいのはなおぐりはんがん)』 四幕十場

H3001kabukiomotes_2

H3001kabukiurarev

盗賊風間八郎:尾上菊五郎
執権細川政元/万屋後家お槙:中村時蔵
漁師浪七/横山太郎秀国: 尾上松緑  
小栗判官兼氏:尾上菊之助
浪七女房小藤/万屋娘お駒/横山太郎妻浅香:中村梅枝
奴三千助:中村萬太郎
照手姫:尾上右近
瀬田の橋蔵:市村橘太郎

父を殺され、盗まれた足利将軍家の宝物を探すことになった小栗判官兼氏は首謀者風間八郎を追う。許嫁の照手姫と離れ離れになり、たまたま助けた万屋の娘に見初められ、そこにあると思われる宝物を見るための方便に娘と祝言を上げようとするが、そこで下女として働いていたのが照手姫だった。娘の母は照手姫の乳母だったこともあり、二人はようやく結ばれるが、嫉妬に狂った母に切られた娘の怨念により兼氏は業病を患う。熊野権現までなんとかきたところで、滝の霊水によって復活した兼氏は、八郎と対峙するが、そこへ現れた細川政元の命により、後日を期して別れる。

正月の華やかな舞台。瀬田の橋蔵の場面で「35億」「違うだろー」などが出て楽しめた。菊五郎はほとんど動かない芝居。さすがにお歳か。菊五郎は相変わらずよく、松緑の台詞回しがとてもよくなっていた。また、梅枝のお駒がよかった。

隣に団体で来ていたおじさんが、開始10分で寝始め、昼食休憩後酔って話し始めて係員に注意され、その後スマホをいじり始めて係員に注意され、またすぐに寝始め、休憩を挟んで気持ちよく寝続け、最後の5分で起きて「いやあ、何にもわからんな」と言ったのには笑った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『京都ぎらい 官能篇』

『京都ぎらい 官能篇』
井上章一
朝日新書、2017/12/13、¥842(有隣堂亀戸)

前著とは趣が違い、京都の裏面とも言える下半身の話。一言で言えば、武力を持たない天皇が美女を侍らせ、それを武士に与える褒美とすることで権力を保ってきた、というのが著者の主張といえようか。

しっかりした論拠はあまりなく、著者の印象論といった趣の本なので、軽い読み物として読めば面白い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«『向う端にすわった男』